2026.4.10 / 

Interview

夜明け前の1.5時間、 彼が追いかけた「目に見えない宝物」の話。


「睡眠時間1.5時間で3ヶ月走ったら、やっぱり倒れちゃいました(笑)」

 

ラジオのブースに座る林さんは、恥ずかしそうな笑顔で話していました。
笑いに変えて話すから、一瞬「すごいですね!」で終わりそうになるけれど。
その言葉の奥にあるものは、「笑い」でくるんで差し出す、本物の覚悟でした。

 

林秀樹さん。「チューハイbar frank」のオーナー。
一見、人当たりがよく、バランス感覚もいい人。でも瞳の奥には、冷徹なほどの分析眼と、燃えるほどの「人間愛」がひっそりと同居していました。

 

林さんはかつて、世界の海を支える漁群探知機メーカーにお勤めでした。
年商1,000億の上場企業。キャリアとしては申し分ない舞台です。
でも彼の目が向いていたのは、数字の向こうにいる「顔の見えないユーザー」だったそうです。
なぜ、キャリアを手放して独立したでしょうか。

「作り手の想いと、使う人の喜びのちょうど真ん中に立ちたかったんです」

 

その渇望(欲望?)が、林さんを「チューハイ」の世界へと引き寄せていきました。
ノンアルコールを注文する人が、50種類以上の選択肢に目を輝かせる瞬間。
その期待を、さりげなく超えてしまう時間。

 

林さんはそのために、今夜もカウンターに立っています。

 

 

BNIの中でよく聞こえてくる「Giver(与える人)」という呼称。
でもそれは、自分を削って誰かに尽くすことじゃなくて、
自分が「最高だ!」と震えたものを、惜しみなく手渡すこと。
その先に生まれる誰かの笑顔こそが、自分がいちばん欲しかったものだと、
林さんはマイクの前で、迷いなく言い切っていました。
「与えることが、いちばん自分のためになる」
頭ではわかってたつもりでも、改めて誰かの言葉で聞くと、じんわりと体に染み込んでいくような。

 

林さんの夢は? との問いに意外な答えが返ってきました。

 

「銅像を建てたいんです。でも、誰にも気づかれない場所に、ポツンとでいいんで」

 

林さんのおじいさまが、故郷に1万本の桜を植えた知る人ぞ知る偉人。
なぜ1万本の桜だったのか? 理由は誰もわからないそうです。
それでも桜は今も咲き、誰かを癒し続けている事実。

 

林さんが目指しているのは、そういう「目に見えない土台」になることなんだと思いました。
神戸を愛し、大阪から通い詰め、大学生に生きる力を説き、街に灯をともす。
いつか林さんがいなくなっても、そのぬくもりが街に残る——
美ししくも静かな夢です。

 

林さん、あなたが建てる銅像には、きっと多くの「ありがとう」が刻まれることでしょう。

 

3

 

 

今はまだ夜明け前の暗闇を走っているのかもしれませんね。
でもその足跡は、確実に誰かの道になっています。

 

今夜もFrankのカウンターで、誰かの新しい物語が生まれています。

「Frankに行けば、明日が変わる」

——そんな場所を、これからも応援したいと思います。

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